« 魚屋さんの恵方巻 | トップページ | マスクしてピアノ »

2012年2月 4日 (土)

映画『ピアノマニア』

金曜日の午後、シネマート新宿で映画を観ました。

平日だし、テーマが音楽ファン向けかなと思ったので

それほど混んでいないだろうと予想して上映時間直前に行くと・・・、

満席寸前でした。

あと3分遅れていたら入場できなかったかもしれません。

 

そういった静かな人気を集めている作品は、『ピアノマニア』。(←音が出ます)

オーストリア・ドイツ合作のドイツ語がたっぷり聴ける映画です。

 

老舗ピアノメーカー、スタインウェイ社の調律師シュテファンが

一年後に録音を控えたピアニスト ピエール・ロラン=エマールとともに

望みの音を作り上げていく過程を軸にしたドキュメンタリーです。

 

他の有名ピアニストの調律の様子も織り交ぜられ、

普段着の舞台裏を見られるお得感もあります。

ラン・ランのパワフルすぎる生演奏はぜひ一度聴きたいものです。

 

ピアニストが「こういう音に調律してほしい」と注文すると

調律師は、そのホールの特徴も踏まえてピアノのあちこちをいじります。

根気強く、所望の音を出せるように工夫する様子は、

車のメカニック(整備士)のようにも見えます。

 

ドイツ語を聴く面白さとしては、

音(トン=Ton)の特徴を表す抽象的な表現に注目しました。

「美しさ」を表す際、sauber(ザウバー:汚れがなくきれいな)という言い方、

出来上がった音の素晴らしさがwunderbarだったり、fantastischだったり・・・。

 

映画では、調律師のことをTechniker(テヒニカー)と呼んでいました。

一連の仕事ぶりを見ると、実に納得がいきます。

こだわりが詰め込まれているのに重くない、

プロフェッショナルの技を楽しめる映画だったと思います。

|

« 魚屋さんの恵方巻 | トップページ | マスクしてピアノ »

コメント

 うーん、観たい!だが、心斎橋では10日(金)までしかやってない。一週間だけのロードショーって、期間が短くない?
 

投稿: シブ | 2012年2月 5日 (日) 16:03

>シブさん
心斎橋のサイトをまだ見ていないのですが
シネマート新宿は、一週間ごとに上映時間が発表されています。
一週間で打ち切るようなガラガラ具合ではなかったので
ぜひまた心斎橋のスケジュールをチェックしてみてください。

シブさんにもオススメしたい映画です。(^_^)

投稿: ようこ | 2012年2月 5日 (日) 16:23

ぜひ観たいと思っている映画です。

前にポリーニのお抱え調律師、ファブリーニのインタビューを音楽雑誌で読んだことがあります。
プロ意識とその確立された領域、深い見識を備えた人物だと感じました。ピアニストによってまったく音が違うので、それぞれにどんなイメージで音を作り上げているのか興味は尽きないです。

投稿: ギドスパリオ | 2012年2月 5日 (日) 22:10

>ギドスパリオさん
映画を観るまでは調律師の具体的な仕事をあまり理解していませんでしたが
ピアニストの抽象的な言葉(しかも矛盾している)を
具体的な楽器の調整に翻訳する過程はとても興味深いものがありました。

ファブリーニのインタビューを読んだことがあるのだったら
より映画の世界に入りやすいと思います。

投稿: ようこ | 2012年2月 6日 (月) 23:23

 結局2回見ました。
 ピアノの調律って、弦の張力を調整して周波数を調整するだけだと思っていたのですがとんでもない間違いで、残響や、音の届く距離、その他諸々、アーティストからの注文はもっとファンタジーに富むものであることを思い知らされました。
 0.7mm小さいハンマーヘッドに、"Das kann nicht sein."と焦る主人公のセリフが印象的でした。車が故障して立ち往生した時などに使う言い回しですね。
 この映画、ラブシーンは無いどころか女性の出演自体がプロデューサひとり。アーティストと技術者としてのせめぎあいはあるのだが感情を爆発させるようなシーンもなし。そういう言わば贅肉を落としてなおかつきちんと作品として仕上がっているところに、それがドキュメンタリーなのだと言ってしまえばそれまでですが、この映画制作会社の矜持を見た思いがしました。イイ作品を紹介して下さりありがとうございました。

投稿: シブ | 2012年2月18日 (土) 21:03

>シブさん
丁寧な感想をありがとうございます。
2回目は、1回目で気付かなかったことも見えてきそうですね。

調律師のちょっとした一言がドイツ語で聞き取れると
より面白い作品だと思いました。
"Das kann nicht sein."→ あり得ない!! という感じでしょうか。

派手な事件が起こるわけでもないのに
調律師の真髄を見せるような作品だったと思います。
ブログをきっかけに観てくださって、私もとてもうれしいです。

投稿: ようこ | 2012年2月19日 (日) 23:02

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/119541/53900666

この記事へのトラックバック一覧です: 映画『ピアノマニア』:

« 魚屋さんの恵方巻 | トップページ | マスクしてピアノ »