つたないながらもドイツ語会話を楽しんだ6日間、
長かった旅行記も今回が最終回です。
最後の夕食として、ザルツブルクのゲトライデガッセにある
本格インドカレーのレストランを選びました。
東京にいるときも、たまに夫婦でバリバリ辛いインドカレーを食べに行くのです。
メニューを見ても、ほとんどがインド料理名(タンドリーチキンなど)なので
分かりやすいドイツ語を話すインド人(多分)に
たまに行くお店の料理を思い出しながら注文しました。
エビカレー、ナン、サラダと黒ビール。量が多いので2人でシェアしました。
サラダについてくるパプリカ(大きなピーマン?)はどこで食べても
みずみずしくて、甘みもあって
検疫がなければスーパーで買って帰りたいぐらいです。
カレーの味は欧風カレーのようで、エビのだしが効いてマイルドな味わい。
かなりおいしかったです。
さて、2杯目のビールは、お店オススメのものを頼もうと思い、
別の店員に銘柄が書いてある紙を示しながら、
"zweimal(2つ)"とお願いしました。
ところが、また1杯目と同じ黒ビールがやってきた???
ようこ夫が
「多分、あの人はドイツ語が分からないんだよ」
と指摘。
たしかに東京のお店でも日本語が分かるのは1人か2人。
異国で苦労しているのかな・・・と思い、
帰り際、「ナマステ」とその店員に声をかけると
流しで皿を洗いながら、背を向けた状態で
「ネァーマースーテーーーー」
と返事してくれました。
ナマステとは、インドのあいさつの言葉だそうです。
私は東京のカレー屋さんで
インドに旅したことのあるようこ父が使ったのをきっかけに覚えました。
食後、旅の締めくくりにホテルのバーで一杯飲むことにします。
私はグレープフルーツジュース+ウォッカ、
ようこ夫はウィスキーのロックを注文して
ウィスキーだけ並々とつがれたものを飲むことに・・・。(^^ゞ
さすがに、途中でミネラルウォーターを注文しました。
静かに旅を振り返っていると、どこかで飲んできた観光客グループが
どやどやどやどやと現れ、途端に騒々しくなりました。
こちらもグラスが空になったところで退散することにしましょう。
ようこ夫がレジで会計中、その観光客グループがどこの国の人か知りたくて
近くにいた話しかけやすそうなご婦人に
"What country are you from?"
と英語で尋ねると、きれいな英語で
「ドイツの出身だけれど、今はオーストリアに住んでいます」
とのこと。
地元の粋な女性が一人で飲みに来たのを
うるさい観光客グループの一人と間違えたことに気づき、
酔いはスッとさめ、あわてふためいて
"Ich komme aus Japan."(私は日本から来ました)
とドイツ語で言うと、
遠い目をして、英語で
「ずいぶん前に日本に行きました。東京、京都、北海道、九州・・・」
と、まるで日本人のような発音で地名を言うではありませんか。
突然話しかけてきた変な日本人にもかかわらず、日本を懐かしがり、
ようこ夫が会計を終えて店を出ようとすると、にっこり笑って
「I remember... おやすみなさい」
驚く私は
「おやすみなさい。Gute Nacht(ドイツ語でおやすみなさい)」
と答え、自分の国の言葉を話してもらえるうれしさを
思いがけず経験することになりました。
翌日、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト空港から一路ウィーンへ。
ウィーンから東京への直行便で帰ります。
ザルツブルクの空港は、山に囲まれ、のんびりした雰囲気。
私はこの飛行機に乗りました。プロペラ付!
上の写真の飛行機より小さいとは・・・。

晴れていたので、湖も見えました。
列車でも2時間半でウィーンに行かれるので、空の旅はあっという間。
飲み物が配られて、回収されたら到着です。
ウィーンの空港では、走るほど急がなくてもよく、
といって、飛行機を待ちくたびれるということもなく、
ほどよい感じで乗り継ぎできました。
14年ぶり2回目のオーストリア旅行。
生の舞台、歴史的建造物、山や湖の自然、人々の温かさに触れ、
またハプニングもありましたが、無事に帰国しました。
初めての旅では、入口(Eingang)や出口(Ausgang)も読めなかった私が
一念発起、まさか独作文をホテルのフロントで見せるとは思いませんでした。
もっときれいな表現、もっと幅広い話題、目標は尽きません。
さらにドイツ語会話の勉強を続け、
またいつの日か、ドイツ語圏を旅したいと思います。
Auf Wiedersehen!!
(旅行記 完)
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時差ボケも治らないまま書き始めた6泊8日の旅行記。
またも長編になりましたが、最後までお読みくださりありがとうございます。
アクセスしてくださった皆様のおかげで、どうにか最後まで書くことができました。
(こうしてまとめたものは、過去の分を含めて多くの方が検索してくださっています)
Vielen Dank.(フィーレン ダンク=どうもありがとう)