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2006年6月23日 (金)

会津人の誇りと第九~映画『バルトの楽園』

昨日、品川にある映画館に出かけました。

品川駅高輪口から坂を登ったところにあるホテルのシネマです。

ドイツ語教室の友人に教えていただきました。(^^)

 

Img_0887_1映画とは関係ありませんが

品川駅にある面白いポスト

 

 

 

 

 

 

Cinema映画館の外観

隣は水族館です。

 

 

 

 

日本でベートーベンの第九が初めて演奏されたのは徳島の鳴門。

その演奏までのいきさつを描いた『バルトの楽園』を観ました。

楽園と書いて「がくえん」と読みます。

 

映画館は全席指定で、チケット売場もガラス張りの窓口ではなく

コンピューターで上映時間が表示されたり

まるでアミューズメントパークのカウンターのようでした。

 

映画のストーリーを簡単にご紹介すると、

第一次世界大戦、日本軍がドイツの拠点となっていた青島(チンタオ)にて戦い、

戦いに敗れたドイツ兵を日本に連れて全国の俘虜収容所に入れました。

この映画は、鳴門にある"板東俘虜収容所"における生活の話です。

 

戦争の悲惨さを訴えるというトーンではなく、

捕虜の目から見た収容所の所長、松江(松平健)への敬愛の念が描かれます。

その敬愛の念が、ベートーベンの第九演奏へと導きます。

 

松江豊寿所長は、捕虜を他の収容所のように囚人扱いするのではなく、

人道的に接するという信念を貫き通します。

その背景にあるのは、所長が会津人であることでした。

その50年ほど前に、戊辰戦争で敗れた者たちの生活を振り返り、

敗れた者に誇りを失わせてはいけない、という考えがあるのです。

 

例えば、脱走したドイツ兵、カルル・バウム(オリバー・ブーツ)に対し

本人の過去の経験をいかすように、収容所でパンやケーキを作らせます。

徐々に生気を取り戻すカルルは脱走することもなく、暮らすようになります。

 

パンやケーキだけにとどまらず、収容所全体がドイツの文化を

板東の人々に伝える様子がいくつかのエピソードとして描かれます。

 

日本にいるドイツ兵物語なので、言葉の使い方の変化が丁寧に出ていました。

地元の人が片言のドイツ語を話したり、ドイツ兵が日本語を話したり、という様子が

徐々に現れるところがよかったと思います。

 

収容所の職員で、通訳をする高木役の國村隼は、ドイツ語をとてもきれいに発音していました。

在住の経験があるのかと思いきや、パンフレットによると特訓でマスターしたとのことです。

 

全編、日本語の字幕が出るのでドイツ語が分からなくても大丈夫です。

でも、一ヶ所だけ字幕を読む前に意味が分かると

感動が倍増するフレーズがありました。

”Ich kann Deutschland sehen.”(イッヒ カン ドイチュランド ゼーエン)

私はドイツが見える、といった意味です。

どこに出てくるかは映画を観てのお楽しみ。

 

エピソードがいくつもあるので、一つ一つをもっと知りたい感もありますが

戦争で息子を失った苦悩を演じる平田満、板東の温かい住人、市原悦子が

映画に厚みを与えていました。

 

「ベートーベンの音楽は素晴らしい~。」

で終わってしまうのではない、よい映画でした。

また、鳴門には今もドイツの文化が残っているのではないか・・・と

いつか出かけてみたい場所の一つになりました。

 

尚、パン職人カルル・バウムのモデルとなった人物は

日本に残り、のちにユーハイムを興したカール・ユーハイムとのことです。

 

Baumkuchenパンフレットと

ユーハイムのバウムクーヘン

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コメント

青島にはドイツ租借当時の提督楼や教会堂があり、歴史の試練を経て修復され、観光スポットになっています。中国で最も有名なビールといわれる青島ビールもドイツ人が開業しました。海岸沿いに赤レンガの建物がつづく風景はどこか西洋風で美しく、中国国内の観光客を多数見かけました。

投稿: マーライオン | 2006年6月23日 (金) 12:20

ツボが盛りだくさんです。
変なポスト(この間行った宇治は茶壷のポストでした)
ユーハイム、青島ビール、平田満!
あぁ、かなり見たいかも!!

らくえんではなくがくえん?!
へぇぇぇ(17へぇ)

投稿: はち | 2006年6月23日 (金) 12:31

>マーライオンさん
西洋風の建物が並ぶ青島の写真を見たことがあります。
歴史的背景は、今回の映画でやっと理解できました。
青島ビールはとてもおいしいですが、なるほどドイツ人が開業したのですか!
ドイツはやはり文化の宝庫なのだと思いました。

>はちさん
ポストに反応してもらえてうれしいです。それにしても、茶壷のポストとは!(笑)
平田満がお好きなら、たくさん出番もあるので見ごたえあると思いますよ~。

投稿: ようこ | 2006年6月23日 (金) 12:50

鳴門ではロケ地跡が観光地になっているそうです。映画のできるより遙か昔、ドイツ村へ行ったことがあります。http://ourtokushima.net/column/col23.phpよく分かりませんが、第九が演奏出来る様な軍楽隊が居たのでしょうか。今でも軍隊には軍楽隊があり、音楽大学を出た人が入団しているレベルだそうです。第九を演奏するにはそれなりのレベルが必要に思いますね。
もう一つの疑問は、勝った日露戦争や第一次世界大戦ではこういう美談を聞きますが、その後の戦争ではついぞ聞きません。日本自体も敗戦へ転げ落ちたのですから、こういう話は所詮勝ち戦の話か?イラク戦争での米軍の収容所は?

投稿: リブラ | 2006年6月24日 (土) 17:44

>リブラさん
ドイツ村に行ったことがあるとはうらやましいです。
映画を観た限りの情報ですが、第九だけでなく地元の子供に教えたりする音楽専門のメンバーがいたようです。
他の戦争においても何かしらの文化交流があるとしたら、いつかその話も知りたいところです。

投稿: ようこ | 2006年6月24日 (土) 22:03

久ぶりにブログを拝見しました。ますます賑っているの関心しました。
会津若松に友人いるのでよく「会津魂」とかを聞かされ、今年5月には山菜とりに裏磐梯まで行ってきたので、「会津人。。」という記事に惹かれた拝見した次第です。

ところで「会津人」は今も松平容保を誇りにし、薩摩や長州の官軍に恨みを抱いてるようです。

機会を見て映画をみてみたい。

投稿: たにし | 2006年6月25日 (日) 10:49

>たにしさん
お久しぶりです!裏磐梯にお出かけとは、お元気で何よりです。
私は会津の飯盛山などに行ったことはあるのですが
歴史については全く無知なので、史実を知っている人には
もっと映画の訴えたいことが分かったのではないかと思いました。
ぜひ映画をご覧になってください。(^^)

投稿: ようこ | 2006年6月25日 (日) 11:42

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